感謝感激☆感動日記

パン屋さんはパンを売る。では感動屋さんは感動を売る?

小説「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(スティーグ・ラーソン著)」

「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女スティーグ・ラーソン著)」

 

本当に素晴らしい小説で、没頭しています。こういう作品に出会えることが本当に感激です。

 

「読み終わりたくない」

私が至福の読書体験をしている時にいだく感想がこちらです。

 

短い小説は読みやすいし、手にも取りやすいですが、余程インパクトがなければすぐに忘れてしまったりします。ある程度長い方が、その世界にしばらく居座ることができて、ある意味「旅行」をしたような気分にもなれますよね。

 

この作品は全3部、それぞれ上下巻があって、それぞれがなかなかの長さですから、いったん物語に巻き込まれてしまったら、かなり長期間にわたって楽しむことができます。徹夜して一気に読むというスタイルもありますが、私はじっくりと少しずつページをめくっていくのが好きです。早く続きを読みたいという気持ちはあるものの、この世界になるべく長くとどまっていたいという思いも同時に湧いてきます。繰り返しになりますが、そう思わせてくれる作品に出会えるというのは本当に幸せだなと感じます。

 

あまり馴染みのないスウェーデン、そこが舞台で、作品が生まれた場所でもあります。氷点下の冬が物語の始まり。札幌で先日まで冬を過ごしていた私には震えるような寒空の下で話が展開していくのは、身近にも感じます。今読んでいるところは第1部の下巻後半なので、そろそろ終わりそうだと感じながら、物語に没入しているのですが、季節は真夏にさしかかりました。北欧の夏にも海水浴があるんだななどと脇道にそれた感想を持つのも楽しくあります。

 

ミステリという枠組みにあたるのでしょうが、随所に見られる恋愛シーンや社会問題等を取り扱う部分が作品に奥深さをあたえています。長いですが、決して単調ではなく、二人の主人公を軸にスリリングに展開していきます。この男女がまたとても魅力的で、愛情をもって作者も描いていると感じられます。彼らの動向を見ているだけで、非常にワクワクします。まだ第1部、これが終わってもさらに面白い物語が控えているのだと思うと、本当に世界は豊かだなと思って、感謝の念がたえません。

 

実は映画化されてもいて、それも全部観たので結論は知っているのですが、それでも充分に楽しめます。

 

数ヶ月前に一度この本を手にとってみたのですが、その長さ(厚さ)に唖然とすると同時に、「読書を愉しむよりも仕事ややるべき事を優先しなければならないのでは?」と自問して読むのをやめました。

 

でも、心の底から喜ぶだろうこの体験よりも大切なことはあるのか、と再度本を開いたのでした。社会的な「やること」よりも、快楽や欲望を優先していくのは、時に批判の対象となりますが、その多くは「嫉妬」から生まれてきていると何かで読んだことがあります。羨ましがられたいとは思いませんし、批判も何もいらないので、こっそり楽しんでいこうと思っています。と書いておいて、ブログの記事にするのは「矛盾」かもしれませんね。まあ、ブログと言っても、ただの日記であり、記録に過ぎないので、それもいいでしょう。

さて、では続きを読みます。